恋の歌口ずさんで

このクサい記事に登場する "ノンケ男性" が普通にゲイで、色々あったけど付き合いはしなかった話。僕はたぶんバイセクシャル

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彼は「みんなと仲良くできるけど特定の人とすごく近づくこともない」タイプで、僕とも仲良くしてくれていた。いろいろ言葉を交わすなかでサラッと僕を落とそうとしているかのような甘いセリフを言ってきたり、普段のよそ行きなのとは違う表情を見せてくれるようになったりもして、そうこうしてる間に完全に好きになってしまった。この頃の僕はすでに狂ってたと思うけど。

次第に仲が深まって、よく二人でちょっと散歩したりするようになった。彼とは話すことがめちゃくちゃあるわけではなく、黙ってる時間もあったけど、なんか心地よい、そんな感じだった。LINEのやりとりも毎日のようにするようになり、何だかんだ週3くらいで会うようになっていた。彼は飲み会で結婚願望を尋ねられると「たぶん結婚はしない」と答えていた。また、この頃になると部屋で僕に寄りかかって触れてくるようになった。

彼の部屋に遊びに行って泊めてもらった日、とうとうめちゃくちゃキスしてしまった。彼は僕の頭を撫でてくれたし、はだける服を直してくれて優しかった。次の日謝った。帰り際好きだと言ってみたら「ありがとう」と言われた。ありがとうと君に言われるとなんだかせつない さようならの後も解けぬ魔法 淡くほろ苦い The flavor of life

 

その後連絡を取る頻度が少し下がったけど特に関係は変わらず。そうこうしてる間に、彼のことが好きだという女友達の恋バナを聞いてしまう。彼女に「いつからなの?」と尋ねると、半年前くらいからお互い好きな感じで、周りに協力してもらったりしながらご飯に行ったりしているのだと。ここで完全に僕は狂ってしまい、彼に「おめでとう」と言ってしまう。彼は何のことか分からないとのことだった。ああやってしまった、と、この頃の僕はかなり情緒不安定になっていたと思う。

しばらくして、彼は改めてこのことを話すチャンスをくれたので少し話した。彼は彼女からの好意には薄々勘付いているがそこまでだとは思っていないようだった(はっきりこう言っていたわけではないが)。そして、彼がゲイだとちゃんと確認したのに。彼は僕に「嫌いなわけじゃ全くないけど、僕からの好意をどうすれば良いかわからなかった」と伝えてくれた。そして「付き合ってみてもいいんじゃない?」と。急にそう言われると僕のほうが分からなくなっちゃったけど、とにかく何か変わるわけじゃないと思うけど、それならそういうことで、と話してその日は解散した。

その後、彼は僕に対して明確に気まずそうにしていて、どんどん関係はぎこちなくなってしまった。それで、その辺りを聞いてみると付き合うとなると気まずくなっちゃった、とのこと。彼は僕にそんなに感情を持っていない感じもするので(それが良いんだけど)、「それなら、無理に引きとめて付き合うつもりもない」と伝えると彼はそうしよう、と。僕たちはやっぱ「恋人」じゃないのかなー、と思うようにしている。

彼は僕以上に恋愛っ気のない人だ。僕だって恋愛が憎いよ!

彼と僕の似ているところの一つは先延ばし癖で、自分の感情とか、「付き合うかどうか」とか、そういうのも一旦保留してしまいがち。とりあえず今は、僕自身の感情を大事にしていきたいなと思っている。