ハグとかいらないから!

ここへきて普通にノンケ男性に恋してしまっている。("ノンケ" ではないと信じるからこそ思いを断ち切れないわけだけど、同性愛者だと知って交わったとかいうわけではないという意味でこう呼称させていただく)

自分の性的指向はむしろ男性の方に向いていると思うことも多いのだが、思い返せば小学生の時の初恋の相手は女性だったし、今まで男性を本気で好きになったことはなかった。元カノはいても元カレはいない。男性は性的対象としてしか見ることができず、オカズはもっぱらゲイ向けのものにお世話になってきた。とうとう、そんな僕が男性に恋愛対象として思いを募らせる時がやってきた。

 

これを書き留めようと思ったのは、実はいまいち分かってなかった宇多田ヒカルの「ともだち」に共感できるようになったのに気付いたからだ。

「ともだち」は、もはや宇多田を語る上で欠かせない存在になった小袋成彬宇多田ヒカルの初めての共作であり、ヒカルさん自身が「同性愛者の、同性愛者ではない方へ秘めた思いの歌」だと公言している。これはクィアリスナーの間でも大きな話題になり、最早伝説となった?このリプライも生んだわけだ。

@ayuclone · Sep 23, 2016 : @utadahikaru Don't you think singing about a gay person falling for their straight friend is a bit of a stereotype of gay people?

@utadahikaru Replying to @ayuclone : What makes you think I'm "straight"? 😛

僕自身は今まで「同性愛者ではない方へ秘めた思い」を抱えたことがなかったので、本気で(同性愛ソングとして)この歌に向き合ってこなかったのだけれど、ここに来て、今更ながら真正面から共感して聴いている。

例えば2番の「キスしたい ハグとかいらないから」とか、普通のラブソングと比べるとちょっと不思議な歌詞じゃないだろうか。Addicted To Youには「キスより抱きしめて」という歌詞が出てくるが、「ともだち」これの真逆を歌っている。

でも、ノンケへの恋を歌っていると思えば納得である。いや、僕だって「罪なノンケ男に抱きつかれる」という "あるある" は嫌ほど経験してきたが、別にそこに恋愛感情はないので、ありがたく抱きつき返したりしてやり過ごしてきた。だから、この歌詞に対しても「ハグしてもらえたらそれでいい」的な考えを持っていた。でも、恋愛感情を抱いている男からのハグは違う。ずっと忘れられず、その記憶に苦しめられている。まさに「キスしたい ハグとかいらないから」だ。

本来、性別に関係ない話なのかもしれないが、異性愛が標準である限り、これは「同性愛者ではない方へ秘めた思い」に特有だといえるだろう。

 

そして、「友達にはなれないな なぜならば触りたくて仕方ないから」「友達にはなれないな もう君の1番じゃなきゃ意味がないから」である。まさにこれで、もう友達にはなれないことを突きつけられる日々。

ああ、ちょっと前までノンケに告白するなんてありえない!と思っていたのに。